「揺れても沈まず」100年企業とブロックチェーン

2018年12月11日、GFP主催の「ブロックチェーンで作る持続可能社会」セミナーが開催されました。本セミナーは、企業が生き残るための持続可能ビジネスブロックチェーンが作り出す持続可能社会について参加者と共に考えていくことを目的としたものです。


講師は、株式会社インシィンク代表取締役、高橋 幸輝氏。国際通貨基金(IMF)にてエコノミストとして政策提言をされた後、世界最大の財務ファームPwCの顧問等を歴任されています。


今回のセミナーでは、高橋講師から、

①ブロックチェーンの趨勢

②サステナビリティとは何か

③今後の仮想通貨の行方は

の3点についてお話頂きました。


その後、GFP代表取締役の平瀬錬司が参加者を巻き込んで高橋講師とディスカッションを行いました。アットホームな雰囲気で参加者の方からもたくさん質問が出て、会場全体で学びを深めることが出来ました。

高橋講師は、講演の中で、「Going Concern」という言葉を紹介されました。これは会社が半永続的に続いていくという前提を意味します。

皆さん、世界で一番Going concernな、事業を継続している、企業はどこかご存知でしょうか?


答えは、金剛組。

(金剛組HPから引用)

飛鳥時代に聖徳太子の寺院建立にも関わったとされる建設会社で、創業はなんと578年。日本の企業が世界最古のGoing concernな企業です。


だからこそ、高橋講師は、「『サステナビリティ』という言葉が一番フィットするのは実は日本企業。100年企業は3万社、200年企業も3000社ある。こんな長く継続できる企業が日本にはたくさんある。」と驚きの事実に触れて下さいました。


また、「最初のCSR(企業の社会的責任)は近江商人の『三方良し』である」とのこと。


英語の言葉が普及している昨今ですが、読み解けば私たちに身近な環境、文化が土台になっていると言えそうです。

ブロックチェーンが持続可能性にどう貢献するのか?と平瀬が質問を投げかけると、高橋講師は、ESG投資とブロックチェーンの親和性について説明。ESG投資は、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス、企業統治)の頭文字をとったもので、この3要素を基に優れた経営を行っている会社に投資することです。


世界の4分の1の投資を占め、現在2500兆円規模、今後益々拡大していくことが見込まれるESG投資ですが、高橋講師によれば、ESGのG(ガバナンス)が大前提となるとのこと。「ある企業で、どれだけ良い製品やサービスを作ったとしても、ガバナンス(G)が効いていなければダメ」とのお言葉。ガバナンス(G)が効いていない一例としては、経費が適切に使われていない、過少申告・水増し申請している等の状況です。

ブロックチェーンは、取引履歴を追跡できるという特徴があり、ほぼ改ざん不可能という技術優位性により、その取引履歴には高い信頼性があります。つまりブロックチェーンを活用して取引を行うと、ビジネスのお金の流れを「見える化」することが出来ます。その仕組みとESG投資の親和性は??


そう、ガバナンス(G)の透明性を高めることです。


ガバナンスが効いていない一例として上述した不適切な経費の使用・報告は、ブロックチェーンを活用すれば簡単に防げます。


ガバナンスの透明性について、高橋講師は、こう述べました。

「上場企業になると、国際会計基準で監査にかけられるため、透明かどうかがすごく大事。人事や会計部分での透明性が求められている。企業側にとっては息苦しい部分はあるかもしれない。しかしそれを担保する力が、ブロックチェーンにはある。自社のお金の流れが可視化されて、入ってきた資本の使われ方がはっきりした方がお金を集めやすい。また、資金の透明性が確保されているということ自体が、投資家が安心して投資できる企業という価値をつける。相互間の信頼関係をブロックチェーンが作れる。

仮想通貨のボラティリティをどう乗り越えるか?というテーマに移ると、高橋講師は「揺れても沈まず」というパリ市の紋章に刻まれている言葉を紹介されました。この意は、「船は揺れないと前に進まない、でも揺れて沈んではいけない。」

パリ市の紋章(Wikipediaから引用)

高橋講師は、90年代のインターネットの黎明期を振り返り、「当時は様々な会社やサービスが出てきた。そのような中でIT企業に投資して失敗して、幻滅して…ふるいかけられて残った企業が現在大きく成長している。そのような企業やサービスも最初は馬鹿にされていた時代があった。」と述べた上で、「仮想通貨もちょうど今幻滅期にあると思う。ふるいがかけられているところ。ここで生き残れる会社、サービスが次のステージを作っていく。


最後に、

仮想通貨やブロックチェーンなど新しいものと付き合う時に、『揺れても沈まず』は大事な発想。

ボラティリティがあるので揺れる。でも消えてはダメ。どう残るか。

これがまさにGoing concern、企業の継続的な経営。そしてサステナビリティやESG投資へとつながっていく。

と締めくくりました。


パリ市の格言「揺れても沈まず」でブロックチェーンとサステナビリティを分かりやすくつないで下さった高橋講師、ありがとうございました!

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書類の偽装、改ざん、虚偽申告などの問題が後を絶たない世の中。これらの問題発見のため、また発生防止のために、現在では多大なコストがかかっています。ブロックチェーンを活用すれば、これらの問題が一発で解決します。技術で信頼性を担保する。それによりガバナンスの透明性が確保でき、長期的な企業価値を創造し、企業の持続可能性につながっていく。


GFPは、ブロックチェーンを活用して資金の流れを見える化させた、ESG投資の直接投資プラットフォームの構築を進めています。


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